文明8年(1476年)、今川家の当主・今川義忠が遠江で戦死したことによって、今川家の家督相続問題が発生した。その結果、義忠の従兄弟・小鹿範満が守護を代行することになった。その間、義忠の嫡男氏親は丸子城に隠棲していたと言われている。

丸子城は、東海道を押さえる要地にあり、今川の本拠地、駿府館の北西に位置する。それゆえ、この城は今川や後には武田(今川を破って、駿河を制圧した)に重視され、赤備えで有名な山県昌景が城代となっている。

読み: まりこじょう / mariko-jo

日本 静岡県 静岡市

作成日:2014/06/11

関連情報: Wikipediaツイート で「丸子城」を調べる

「丸子城」の関連ノート

【安部川餅の誤算】<h2>北条早雲ゆかりの土地を巡る in 静岡</h2>
<p>6月下旬の梅雨時期に、2泊3日で静岡県に行ってきた。その時のテーマは、「北条早雲ゆかりの土地を巡る in 静岡」であった。基本的に、焼津から東進し、三島に至り、三島から南下して、修善寺でゴールという日程を考えていた。自転車による3日間の総走行距離は約180kmだった。</p>
<h2>小川の長者、長谷川法栄</h2>
<p>初日は東京駅を発し、焼津駅に降り、焼津の南隣にある小川の港へ行った。小川は、今川氏親擁立に尽力した長谷川法栄(*)の拠点である。</p>
<div><em>(*)長谷川法栄:今川氏親擁立に貢献した人物で、小川を拠点にしていた。 氏親の父、今川義忠が遠江で戦死した後、幼少の氏親はすぐに家督を相続することはできなかった。家督は、一旦、義忠の従兄弟の小鹿範満が引き継いだ。その混乱の中、法栄は氏親を小川でかくまったという。彼は早雲の有力な味方だった。 その辺の様子が司馬遼太郎『箱根の坂』に詳しく書かれている。</em></div>
<p> </p>
<h2>丸子城へ</h2>
<p>その後、朝比奈川を渡り、国道1号線を通って、泉ヶ谷の西に位置する丸子城を訪れた。丸子城は、東海道を押さえる要地にあり、今川の本拠地、今川館の北西に位置する。また、氏親が家督相続できないでいた間、この城を居城にしていたという。そうであれば、氏親擁立の中心人物であった、早雲も何度もこの城を訪れたことだろう。</p>
<p>丸子といえば、とろろ汁が有名だが、着いたときがすでに夕方だったため、店が閉まっており、とろろ汁は諦めざるを得なかった。</p>
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<em>2010年6月27日撮影 </em><br><em>司馬遼太郎『箱根の坂』のイメージに近いと思い撮影した。</em>
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<h3>安部川餅を食べよう!</h3>
<p>翌日は、しからばということで、安部川餅を食することに決め、ホテルを出た。<br>最初、駿府城(今川館跡に築城された)、そして、浅間神社を見学した後、臨済寺に行った。臨済寺は早雲の姉(司馬遼太郎『箱根の坂』では妹という設定になっている。今川義忠の正室で、今川氏親の母)、北川殿の別邸跡に建てられ、今川義元も青年期を過ごした場所だという。 <br>当寺は賤機山の山麓にあり、本堂のある高地からは市街地がよく見える。すでに10時30分を過ぎて暑くなってきたが、境内の清々しい雰囲気が心地よかった。</p>
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<em>2010年6月28日撮影 </em><br><em>臨済寺の本堂前からの写真。</em>
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<p>臨済寺を出て、予定通り、安部川餅を食べに安部川橋東側に向かうことにした。この頃になると、太陽が照り始め、気温はぐんぐん上昇しているのが分かった。11時頃に目的地付近に着くと、観光ガイドブックに載っていた佇まいの店があった。</p>
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<em>2010年6月28日撮影 </em><br><em>安倍川橋の東側から、安倍川をのぞむ。</em>
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<em>2010年6月28日撮影 </em><br><em>安倍川餅の「せきべや」さん</em>
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<h2>安倍川餅の「せきべや」さん、発見!</h2>
<p>ここだと思い、汗を拭いつつ、店に入った。この店が300年の歴史を持つという「安倍川餅せきべや」である。店の中は、冷房がかかっており、涼しかった。安部川餅(600円)を注文し、待つことしばし、やってきた安部川餅を見て、私は「しまった」と思った。</p>
<p><a><img></a></p>
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<em>2010年6月28日撮影 </em><br><em>「せきべや」さんの安部川餅。見た目よりボリュームがあり、満腹になった。若干、黄粉餅が分かりくいかもしれない。黄粉餅は皿の右側にある。その黄粉餅に砂糖がかかっている。</em>
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<h2>「しまった」と思った理由</h2>
<p>それは餅の味がどうこうという話ではなく、このシチュエーションでは、餅というチョイス自体が誤りだったではないかということだ。なぜかというと、その重く、粉っぽい様子に食欲が湧いてこないのである。すでに、暑さにやられつつある体に、この重量感と粉っぽさはきつい。もう少し冷たいもの、せめて、チュルチュルと食べられるものにしたらよかったと思った(もちろん、餅自体はすべていただいて、店のチョイスにミスはなかったと思った)。</p>
<h2>ご当地グルメは胃と相談しよう</h2>
<p>思えば、前日にとろろ汁を食べ損なったのがトラウマになり、何としてもご当地グルメを食べるということが強迫観念となり、冷静な判断力を鈍らせたのかもしれない。思い込みというのは恐ろしいものである。<br>昨日、とろろ汁を食べていれば、おそらくこれほど暑い中、餅を食べるのは不適と判断して、別のものを食べていたことだろう。食べ物に関しては、頭が要求するものより、胃腸が要求するものを優先させたほうがよいとつくづく思った。今度は、安部川餅を見て胃腸が喜ぶ時期に、もう一度、トライしてみたいものだ。</p>
<p>その日の夕方、いつもより腹が減らないなと思ったとき、ふと昼に食べた阿部川餅のことを思い出した。失敗にも、効用はあるようだ。</p>
<p>(終)</p>

安部川餅の誤算

作成日:2014/6/23 , 地図あり, by fuji3zpg 開く

安倍川餅 フィールドをゆく 静岡県 静岡市

【今川館】今川館から西に2.5ロほどの地点にある安倍川。丸子城から東へ。安倍川に至る。思っていたほど、水量は多くなかった。<br>      今川氏親が丸子城に逼塞していたとされているが、今川館から安倍川が約2.5km、安倍川から丸子城までが約4km。いくら安倍川があるにしても近過ぎないかと自転車で走って思った。

作成日:2013/2/25 , 地図あり, by fuji3zpg 開く

早雲の城 静岡県 静岡市

【駿府城】駿府城の本丸堀。駿府城は今川館跡に建てられた。今川館についてはよく分かっていないようだ。<br>      駿府城は近世城郭なので、丸子城のように霞がかった雰囲気は微塵もなかった。

作成日:2013/2/25 , 地図あり, by fuji3zpg 開く

早雲の城 静岡県 静岡市

【丸子城】明瞭な竪堀。竪堀はこれまで何度となく撮影してきたが、ロクな写真が撮れたことがない。その中でもこれはよく撮れたほう。<br>      竪堀のうまい撮り方などあれば知りたい。

作成日:2013/2/25 , by fuji3zpg 開く

早雲の城

【丸子城】かなり深い堀切。幼少の今川氏親が隠棲していたというぐらいの知識で行ったら、城の規模に驚いた。実は駿河が武田領になった時、山県昌景が城代になっている。その後も徳川の手が入ったりして、大規模化していったのだろう。

作成日:2013/2/23 , by fuji3zpg 開く

早雲の城

【丸子城】北曲輪辺りから北東方面に丸子谷を撮影。今川氏親の幼名は龍王丸といい、父の今川義忠亡き後は今川家の家督を相続できず、この丸子谷に隠れ住んでいた。<br>龍王丸の母は北条早雲の姉だったため、早雲は龍王丸を担いで、今川家の当主に据えた。そのため、早雲は今川家に大きな地盤を得ることになった。<br><br>鬱屈した氏親の青春時代などを想像しつつ、曇天の丸子谷を眺めていた。

作成日:2013/2/22 , 地図あり, by fuji3zpg 開く

早雲の城 静岡県 静岡市

【丸子城】目の前の山が丸子城。位置と方位から考えると、左側の山が本曲輪か。

作成日:2013/2/21 , 地図あり, by fuji3zpg 開く

早雲の城 静岡県 静岡市

【丸子城】現地案内板。分かりやすい。丸子谷に入ってすぐの所にあったと記憶しているが。。

作成日:2013/2/21 , 地図あり, by fuji3zpg 開く

早雲の城 静岡県 静岡市

【丸子城】丸子城の東側にある柴屋寺。柴屋軒宗長が結んだ草庵跡に建てられた。<br><br>宗長は連歌師であったが、今川家の外交官の役割も果たしていた。宗長は北条早雲の今川氏親擁立にも尽力したという。

作成日:2013/2/21 , 地図あり, by fuji3zpg 開く

早雲の城 静岡県 静岡市

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