@fuji3zpg

歴史と防災-その1 私が調布へ引っ越した理由-

江東区から調布市へ引越し


今月中旬(2011年5月)に、東京都の江東区(両国国技館の南東約1km)、から同じく東京都の調布市(国領駅周辺)へ引っ越した。
引っ越した主な理由は
1)仕事上、必ずしも江東区にいる必要がなくなった
2)江東区は災害が発生した場合、さまざまな危険があるが、調布市は比較的安全である
3)賃貸契約の更新期限が迫っていた
といったところだ。


江東区回想


江東区には計8年間いたが、都心に近く(運動も兼ねて、東京駅の八重洲ブックセンターや神田の古書店街によく行っていた)、旧居の西側には隅田川が流れ、老舗の多い、落ち着いた街だった。また、当時は取引先が隅田川対岸の浜町にあったので、仕事上も都合がよかった。


この地域は便利な半面、災害には弱い。
江東区は隅田川と荒川に挟まれた地域で、人口は約47万人、ゼロメートル地帯がかなりの面積を占め、地盤も弱い。旧居周辺は、20世紀には2度壊滅してい る(1923年の関東大震災と東京大空襲)。したがって、便利な半面、危険も少なからずあるため、それなりの対策は考えていた。


江東区より地盤が弱い地域として、千葉県の浦安市がある。実際、東日本大震災で、私が住んでいる近辺で液状化の影響は見られなかったが、浦安では発生した。 その辺の事情を「歴史サイクリング in 浦安-東日本大震災から約50日が経過して-」に書いておいたので、興味のある読者はご覧いただきたい。

一般的な自然災害リスク


一般的に、自然災害としては、火山噴火、洪水、地震、津波、液状化が考えられる。
江東区は、火山噴火を除いた洪水、地震、津波、液状化のリスクを現実の問題として考える必要がある。ただ、資料を見る限り、津波についてはそれほど深刻ではないかもしれない。


江東区民、悪夢のシナリオ


江 東区住民にとって、一番マズいパターンは、東京湾北部で直下型大地震が発生し、建物に深刻なダメージを受ける。逃げようと思ったら、上からは看板がずれ落 ち、ガラスが雨のように落ちてくる。横からは自動販売機が倒れこみ、車が突っ込んでくる。何とか最初の1分を切り抜けたが、道路は瓦礫とガラスで歩きにく い。また、道路が液状化しており、一段と動きが鈍くなる。モタモタしている内に、強風に煽られて、火災旋風が発生して、一網打尽というケースだと思う。


実際、両国駅から数百メートル北西にある被服廠跡(現、東京都慰霊堂)では、関東大震災の時に火災旋風で3万8千人もの犠牲者が出たそうだ。


東日本大震災では広い範囲にわたって被害が出て、現時点で、死者、行方不明者が約2万5千人である。むろん、海溝型地震による津波はおそろしいが、人口が密集した都市部で発生する火災旋風も大きな脅威であることが分かると思う。

おそるべし、火災旋風


前出の火災旋風という現象がある。
Wikipediaで「火災旋風」 の記述を抜粋すると、「火災旋風(かさいせんぷう)とは、地震や空襲などによる都市部での広範囲の火災や、山火事などによって、炎をともなう旋風が発生 し、さらに大きな被害をもたらす現象。鉄の沸点をも超える超々高温の炎の竜巻である。」ということだ。過密な都市部で火災旋風が起こると、犠牲者の数が1 桁増えるという記述を何度も見た。


私はどのような準備をしていたか


私がとった対策として は、一般的な防災グッズの購入の他に、パンクしない自転車を買ったことだ。購入して、もう2年ほど経つ。この自転車はタイヤのチューブに空気ではなく、 ジェルが入っている。だから、たとえ釘やガラスを踏んでも、原理的にパンクしない。これで機動力を確保するのだ。パンクした自転車は用を為さないろう。大震災発生直後に、パンクした自転車を修理している暇はあるだろうか。
東日本大震災発生後、大阪の業者がパンクしない自転車を被災地に送ったと報道されていた。


だが、パンクしない自転車も液状化した道路を本当に走れるのだろうか?
浦安の液状化を見た現在、懐疑的にならざるを得ない。


西へ


旧居にいる時に火災旋風が起こると仮定すると、逃げる方向としては、西しかないというのが私の分析の結論だった。新大橋が落ちていないことを祈りつつ、西へ走って、皇居(旧江戸城)まで行くのである。皇居まで行けば、ひと安心だ。そこで情報を集めて、その場に留まるか、移動するかを決めればよい。


皇居は武蔵野台地の東の果てで皇居西側は高地になっている。また、忘れられて支援物資が届かないということもないだろう。ただ、東側は400年ほど前まで、 入り江になっていたことには注意したい。つまり、台風であれ、津波であれ、堤防を越えるほどの水がやってきたら、皇居東側にも水はやっているかもしれな い。

なお、西以外の方向に行っても、危険は増えても減らないと思う。


本当に逃げ切れるか


さて、江東区から皇居へ逃げる場合、道に迫った(主観的には圧迫感のある)低中高層の多数のビルの間を抜けていくことになるのだが、果たして無傷で通過できるか、甚だ疑問である。死んだり、手傷を負って、人さまに迷惑はかけたくないものだ。
結局は、無事切り抜けられるかどうかは多分に運次第だと思う。


火災旋風発生の可能性が低い場合は


なお、雨が降っていたり、無風で火災旋風の発生が現実的ではない場合は、近くの決められた避難場所に避難するつもりだった。余震でガラスが落ちてきたり、建物が崩れたりする危険もあるからだ。移動するにもリスクがある。


そのとき、どうする?


震災に遭遇した場合、どうしたらよいのだろうか。一般解はないと思う。人や場所によって、状況が違うからだ。


私は自分なりに情報を集めて、上記のように考え、行動すべく準備していた。正しいかどうかは、そのときになってみないと分からない。読者にとって参考になるところがあれば、参考にしてもらいたい。


結局のところ、「どうするか」は本人が「そのとき」に判断する他ないと思う。
が、まずはどういうことが起こると考えられているのかを知ることは有効だと思う。そこで、「その2」では、私が有益だと思った震災シミュレーション小説をいくつか紹介したい。


(つづく)

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