伊東作品の背景
伊東さんは外資系IT企業で営業を長くされ、作家デビューしたのが40歳をいくつか過ぎてからという話です。
Wikipedia:
伊東潤
ビジネスマンの1人としてキャリアの中で味わった現実のしがらみを、戦国時代を生きた人物たちに投影しているので、伊東さんの作品にリアリティを感じるのかなと思います。
作品の特徴
伊東作品は状況説明が異様に的確で、ざっくり要点を掴みながら、小説を読むことができます。『疾き雲の如く』で、はじめてこの状況説明を読んだ時、その斬新さに衝撃を受けました。こういうのも営業で鍛えた要約スキルなのかなという感じがします。
もう1点は、あたかも見てきたかのような叙述がされている点です。これは著者が現地をまわることで史実と自分の追体験が熟成され、内的に1つの世界を構成したものを書いているからだと考えています。
そういう著書が消化し、追体験された叙述というのは、まさに声が聞こえ、ものに触れ、あたかも自分(読者)もその世界にいるように感じます。司馬作品も同様です。
今後の歴史小説の様式の発展にも期待
今回発表された『黎明に起つ』はまだ普通にWebやiPhone/iPad/Androidから文が読めるだけのようですが、電子化する以上、このままの形で終わるわけがありません。今後、歴史小説の様式がどういうふうに発展していくかについても、期待しています。
*たぶん、『黎明に起つ』はこのままでしょうが、今後の作品はいろいろな表現様式の展開があるだろうという意味です。
新しい歴史小説の様式を開拓するのは、ITを理解しビジネスセンスのある作家なのかもしれません。
歴史小説とWebサービスの連動
私は、2年ほど前から、歴史小説(歴史解説書・映画なども含め)とWebサービスの連動を考えて、ブログ(
フィールドをゆく)を書いたり、歴史年表(このサイト)を作ったりしてきました(今は城写真共有サービスを作っています)。
その到達点が
武田信虎について書いた記事です。この記事では、文字、写真、絵地図(Googleマップ)、年表が現地リポートを支援します。
いよいよ、そういう時代が来たのです。
(おわり)
参考情報
・『
黎明に起つ』
・伊東潤さんのTwitterアカウント
@jito54 と
公式サイト
・『
黎明に起つ』に寄せる著者の意気込みを語るブログ記事「
越えねばならない坂がある」