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チンギス・ハーン〜ザックリつかむ世界史:遊牧勢力の伸張(2)〜

投稿日:2012/09/05

タグ: 世界史 遊牧

チンギス・ハーン以前

このような次第で、乾燥地帯からの圧力は次第に増していきました。その最大の波がチンギス・ハーンを始祖とする、モンゴル帝国の拡大でした。
一般的に遊牧勢力は強力なリーダーが現れると、パッと結束するのですが、バラバラになるのも早いという性質を持っていました。この性質は組織の継続性というものを考えると、難しい性質です。

チンギス・ハーンの登場

チンギス・ハーンはモンゴル高原の部族間抗争を勝ち抜き、出身を問わない実力主義の人事を採用し、チンギス・ハーンの一族や功臣たちを中心とした新しい組織原理を導入することに成功しました。
その結果、部族という制約を脱して、多様な民族を取り込んで、チンギス・ハーン亡き後も、モンゴル帝国は拡大を続けます。

チンギス・ハーン亡き後も拡大するモンゴル帝国

これはなかなか珍しいことです。アレクサンダー大王であれ、秦の始皇帝であれ、ティムールであれ、一代で猛烈に領土を拡大した帝国はそのリーダーが去ったら、弱体化・分裂・瓦解しやすいのですが、チンギス・ハーンの帝国は拡大しました。

組織を作って去っていったチンギス・ハーン

このことは少なくとも晩年には、チンギス・ハーンの帝国はチンギス・ハーンの個人的なカリスマのみに支えられた帝国ではなく、支配システムが確立していたことを意味します。

(つづく)



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