当日:4月16日(月)
本日のテーマは「戦国時代と(西欧を中心とした)世界情勢」です。
大航海時代と戦国時代は同時代
戦国時代というと、日本国内の戦いが主な関心だと思います。この時代、西欧では大航海時代の幕開けで、19世紀の西欧黄金時代の礎を築いた時期でもありました。
ルネサンス期の文人や冒険家たち(マキャベリやコロンブスなど)は北条早雲と同時代の人で、日本同様、イタリアも都市国家間で戦争をしていました。
大航海時代と宗教改革・宗教戦争
大航海時代と同時に西欧では宗教改革と宗教戦争が勃発して、大変な惨禍になったようです。
その様子をうまく描いた『最後の谷』というたぶんかなりマニアックな映画があります。
南ドイツのある寒村を舞台に、傭兵、新旧教対立、疫病、戦争などを描いており、当時の大変さをよく表現していると思います。
『最後の谷』の傭兵隊長のキャラが際立っており、私のイメージする傭兵隊長をかなり具現化していました(まあ、オチは評価が分かれると思いますが)。ドイツの地政的困難も垣間見えると思います。見る時は、世界史資料集があった方がいいでしょう。
ポルトガル・スペインからオランダ・イギリスへ
ちょっと脱線してしまいましたが、ポルトガル、スペインが先行した大航海時代に、オランダ、イギリスが追走する展開になりました。そして、半世紀ほどの悶着の末、イギリス艦隊がスペイン艦隊を破り(アルマダ海戦、1588年。小田原戦役の2年前)、イギリスが国運上昇の気流に乗ることに成功しました。
これが大英帝国の起源的な出来事だったと思います。この時の英国女王がエリザベス女王で、信長の一歳年長です。つまり、西欧の絶対王政期と戦国大名というのはほぼ同時期に形成されたということです。
鉄砲と築城、そして、信長の天下統一
ちょっと進みすぎましたが、ポルトガル船が種子島に鉄砲をもたらしたのが、1543年と言われています(武田信玄の家督奪取から2年後)。そして、この鉄砲が戦国時代の戦術、築城術などに大きな影響を与え、これらの新技術を有効活用した織田信長が天下統一の一歩手前まで躍進しました。
鉄砲、大砲の伝来と普及なしに、戦国期の城の縄張りはあり得ません。
近代への出発点としての戦国期(大航海時代)
戦国時代は日本国内に目が行きがちですが、この時代、その後500年ほどの変化が胎動した時期でもありました。そういう視点から見ると、戦国時代も今までと違って見えるかもしれません。